3階建て住宅・アンティーク調のデザイン住宅 施工事例

リビング


ピカピカの新しさもよりもアンティークの落ち着いた質感がお好きな施主様のリビングはこんな感じに仕上がりました。
計画段階から「新建材」の提案は極力控え、自然の素材を手間と時間をかけて創り上げる質感を重視しました。
リビングの床は無垢の幅広の乱尺のオーク材です。リンシードオイルという自然塗装が施されてます。無垢材は50度以上の高温に弱いため、温輻射の見込める低温式の床暖房を敷設し、床を傷めないようにしました。
壁と天井はドイツの再生壁紙であるルナファーザーを貼り、Jカラーでカラフルな色で塗り分けしました。すべては若いご夫婦の素敵なセンスをカタチにするため、建材のサンプル取寄せと確認を繰り返してできあがった空間です。

鋳鉄色のらせん階段

吹抜けをのぼる螺旋階段。手摺や手摺子は極力細めにし、黒に黄色を少しだけ混ぜた鋳鉄色で塗装をしました。
アンティーク調の階段は、繊細で女性的なデザインです。階段自体もインテリアになりました。階段脇のドアは、玄関からの外気の影響を緩和させるため、建築中に追加で設けることにした木製ドアです。YUDA木材製で、これも都会的な真新しさとは異なる風合いです。
吹抜けに面した白い大壁は板張り仕上げ。杉板に白のオイル塗装をし、うっすら板目が透けるくらいに拭きとって仕上げたものです。酒井駒子さんの絵本「金曜日の砂糖ちゃん」に出てきそうな、少し幻想的な壁です。

リビングからキッチンへの眺め

1階のウッドデッキ。緑が豊かに繁って心を癒してくれる

右側の大きな窓の先に広がる約10畳のバルコニーにはセランガンバツのデッキ材が敷かれ、リビングとの一体感を醸します。
正面のキッチンスペースを区切るパーティションは造作でガラスをはめて白い塗装によって圧迫感をなくなります。通常は壁と言えば白色が定番ですが、お施主様はセンスよくパフ・イエローをアクセントに選ばれました。私どももこの内装の色の組合せをとても気に入りました。

白いキッチン


キッチンは細長いガラスと杉の板目のパーティションでリビングと空間を分断しない程度に区切ってあります。
キッチン前は、タモの集成材のL字カウンターをまわしました。カウンターの上にはお施主様御支給の小さなペンダントライト。
脇のルーバー引戸はパントリーで、白く塗装してあります。

バスタブのある白い浴室


2階のバスルーム。壁は白い磁器質タイル。床はサーモタイルとなってます。
バスタブと洗面台は輸入品で、シャワースペースとガラスで区切られています。バスタブの横の大きな窓は広いウッドデッキのバルコニーに面しており、崖地の向う側まで見渡せます。

独特な雰囲気のある1階LDK


1階は妹さんのフロア。お好きな内装の写真を多数拝見したところ、バリ調やチベット調など、アジアの諸処の地域性が調和したリゾートの内装が多くあり、煌びやかでない寂び的要素を含んだ美しさに惹かれているようでした。
アッシュの無垢フローリング、壁はパインの羽目板。より濃い色を出すため、日本の伝統塗料である柿渋を使用してオスモやリボスなどの自然オイルの色よりも濃い色に仕上げました。
壁はルナファーザー・チップスに灰白色を塗装しました。2~3階とはまた異なるサンダルウッドなどのアジアの御香が似合うお部屋に仕上がりました。
リビングの外にはセランガンバツの広々としたウッドデッキが広がります。シンボルツリーのシマトネリコが気持ちよさそうに風にたなびきます。

 

所在地:東京都北区
竣工:2012年4月
用途・規模・構造:専用住宅・木造・地上3階建
断熱:内断熱/BIB充填断熱
敷地面積、建築面積:敷地面積 132.90㎡、建築面積 74.77㎡
延床面積、各階面積:延床面積 166.43㎡
設計:株式会社工房 一級建築士事務所

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