荒川区の高級感あふれるアパート・マンションの設計・建築

所在地:東京都荒川区
構造:重量鉄骨造
断熱:発砲ウレタン内断熱
規模:3階建/317.29m2 共同住宅
設計:株式会社工房一級建築士事務所 池上修一、石川恵理子
施工:株式会社工房 布山仁、新庄貴男

高級ではなく高級感を

すでに数棟の賃貸物件を所有され、50室以上を直接管理しているプロのオーナーご夫妻が求めたものは「高級」な建物ではありません。
高い建材を使用すれば結果的に高級となりますが、事業収支を考えれば、建築コストをUPさせ、収支が悪化します。

【他とは異なる個性があり、そして高級感のともなう建物。】

これが、プロのオーナーご夫妻が私たちに与えた課題でした。

メリハリのあるデザイン

写真:鉄骨造 3階建てオーナー様との話し合いの末、道路側の魅せるALCの大壁は濃いワイン系、それ以外を灰白色でメリハリをつけました。
エントランス周りのT字部分にのみボーダータイルを張り、ぱっと目にした時のエントランスは、マンションのような高級感のあるデザインに。
そして、道路側の共用階段には灰白色の外壁面に大きな窓を設けます。
これにより、道路からの目線は窓の向う側の空まで抜け、建物のもつ圧迫感を強調せず、軽やかで清潔感ある印象を与えることができます。

明るいエントランスの空間づくり

写真:鉄骨造 3階建て
1階のセキュリティ錠のついたエントランスを入るとすぐ、必ず目にする大壁があります。
この大壁の片側にのみタイルを貼り、高級感をもたせます。
この空間は日中でも光りが入りにくいため、あえて明るい色調のタイルを貼り、床も淡いベージュ系のタイルで空間自体を明るい印象に仕上げています。
鉄骨の階段も、視線の抜けと開放感をもたせるため、蹴込みをなくし、ホワイトのOP塗装としました。
写真:鉄骨造 3階建て

ロフトのある居室

内装のコーディネートは特に印象を左右します。
無難にバーチ系の木の色で揃えれば、個性はなくなり、新築である以外に他の競合する賃貸物件との差がなくなってしまいます。
限られた空間を有効に使えるようロフトを設け、居室の床はアッシュの木目をホワイト・オイルフィニッシュした柄のクッションフロアを選びました。
白い空間は明るくて清潔感も感じられ、女性入居者も多くなったそうです。
写真:鉄骨造 3階建て

キッチンも個性的な色に

集合住宅向けのキッチンはとてもコンパクトです。
不特定多数の方に気に入ってもらうには、ここも無難な色の選択になりがちですが、オーナー様とも何度もお打合せをし、各階ごとに色を変える事となりました。パステルカラーのキッチンは白い空間と相性も良く、見た目に楽しく、清潔感があります。
キッチン選びは、洋服に合うアクセサリーを選ぶことに似ていて、どのお施主様も皆楽しんでおります。

部屋をより広く見せ、使いやすく

白い空間は部屋をより明るく広く見せます。空間を分断する木製建具もホワイトの3枚引戸で光りが透けるデザインに。
3枚引きですので、端に寄せればキッチンと居室がつながり、広い空間に変化します。
こちらの部屋のキッチンは、日当たりの難点をカバーするための色彩コーディネートをし、グロスホワイト色としました。
部屋を内見して即決された入居者も多かったそうで、大変嬉しく思います。写真:鉄骨造 3階建て

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