OB訪問記-狭小地ながら、シンプルな間取りと余裕の収納スペース。

[右]Kさんご夫妻。階段室の上には天窓があり、とても周囲を建物に囲まれているとは思えないくらいの明るさ。
[左上]弱い地盤対策で、柱状改良が約20本、制震ダンパーを12本入れた。
[左下]隣の家との間は、人ひとりがやっと入れるくらいの幅しかない。「工事の人にだいぶ頑張ってもらいました」と、Kさん。

狭小地ながら、シンプルな間取りと余裕の収納スペース。

キッチン中央のサイドテーブルは「できるだけ幅をとらないものを探してきて、工房さんに床に固定してもらいました」と奥様。

施主Kさんの、その弟さんの家の、そのご近所のお宅の新築工事を工房が行って、その仕事の評判を聞いた弟さんが、ご自分の家の外壁の改修を工房に依頼して、ここならというので、ちょうど新築を考えていたお兄さんに工房を紹介した。
──という嬉しい紹介の連鎖があった。以前の家は築35年の木造で、家の前の通りを大型トラックが通ると揺れを感じていた。それでもまだまだ住めると思っていたけれど、さすがに東日本大震災のあとからは、床に丸いものを置くとコロコロと転がるようになり、ついに本格的に建て替えを考えることにした。ハウスメーカーにプランを出してもらったが、どうも間取りが窮屈でピンとこない。弟さんから紹介された工房のモデルハウスを訪ね、直接設計士と話してプランを依頼した。

リビングのマッサージチェアで寛ぐ。 下町らしく、窓の上には神棚。テレビの上の棚には、ご主人が各地で集めた趣味の「達磨」が並ぶ。

一発で納得のいくプランが出てきた。西側に隣接して高層のマンションがあり、周囲を建物にガッチリ囲まれた狭小地であるにもかかわらず、上手く間取りが考えられていて、収納スペースも十分、室内も明るい。「前の家は昼間でも電気を点けてましたけど、いまは晴れの日は、まったく点けないでもよくなりました」と奥様。そのせいか、電気代もかなり安くなったという。

弱い地盤を、柱状改良と制震ダンパーで補強。

2階廊下の天井から、ワンタッチで屋根裏収納へのハシゴが出てくる。左は上から見たところ。

もともと地盤の弱い土地なので、地盤強化のために柱状改良を20本ほど打った。
かつてはトラックが通っても感じていた揺れが、こんどの家ではほとんど感じられなくなった。地震も「以前は夜中によく飛び起きていましたが、いまは、朝、テレビを見て初めて地震があったことを知るというようなことが多くなりました」とご主人。

冷暖房はエアコンと、暖房の補助としてガスストーブを使っている。夏は、2階の南部屋が暑かったくらいで、ほかの部屋はそれほど暑さを感じなかった。実は、以前の家は暗かったので、カーテンを一切使わなかったとのこと。今回南部屋にだけ「初めて、遮光カーテンというものをつけました」と奥様が笑う。冬は、以前とくらべるとかなり暖かくなったという実感があるという。エアコンもガスストーブも、稼動回数がかなり減った。窓の結露も以前はかなりあったが、こんどの家ではほとんど見ていない。

「全体的な間取りもうまく考えてもらったし、断熱材の効果というのも、いい具合に効いているようで、快適に生活しています」というのが、お引渡し1年経過後のご主人のご感想である。

【スペック】
東京都北区 K様邸 2013年2月竣工
木造/2階建て/専用住宅
敷地面積=49.17m2(14.9坪)
建築面積=35.03m2(10.6坪)
床面積=1階35.03m2(10.6坪)/2階33.61m2(10.2坪)
延床面積=68.64m2(20.2坪)
設計施工=株式会社工房